2024.2.19 「2023えなローカル起業カレッジ」第4回開催レポート
2023年12月9日(土)・10日(日)の2日間、「2023えなローカル起業カレッジ」第4回が開講されました。
第4回の講師には、岐阜県関市から中田誠志さんをお迎えしました。中田さんは「そばのカフェおくど」の代表であり、地方の「もったいないもの」を再生・活用する合同会社「地域と協力の向こう側」、農事組合法人「土とむぎの青空」を経営。さらに地域おこし協力隊サポートデスクの専門相談員を務めるなど、多方面で活躍されています。
1日目午前の部の「中野方を知る」レクチャーでは、中野方在住の恵那市議会議員・林貴光さんから、恵那および中野方の魅力と課題についてお話を伺いました。
2日目は、最終回ということで今年も受講生発表会を開催しました。それぞれ熱のこもったプレゼンに、受講生やスタッフ、町民の方々が熱心に聞き入りました。
今回も、中野方に移住3年目の運営スタッフ・中畑がレポートをお届けします。それでは、最終回の開催レポートをどうぞ!
知られざる議員ライフとは?若手議員が描く恵那と中野方の未来
恵那市で最も若い市議会議員である林貴光さん。高校卒業まで中野方で過ごし、その後約20年間は東京の民間企業で働く日々を送っていました。40代に入り、「もう東京はいいかな……」と思って中野方にUターンした林さん。そんな彼を待っていたのは……?
「青天の霹靂」林さんが議員になるまでのストーリーが気になる方は、こちらの記事もどうぞ。
スピード婚から1年。中野方で2人が描く夢:林貴光さん・みるりさん
「議会に出る以外に何をしているの?」意外と知らない議員の生活。議員としての日々の活動の詳細や、1人の政治家として描く恵那と中野方の未来図など、普段はなかなか聞くことのできない話を伺うことができました。
一方で、ご夫婦で取り組む自然農園のこと、林さんにとっての幸せの定義など、一個人として大切にしていることや夢なども楽しく語ってくださいました。「犬と暮らせる」「農的暮らしをする」など、林さんらしい9つの幸せの定義。受講生の皆さんにとっても、それぞれの幸せの定義に思いをめぐらせる時間になったのではないかと思います。
自分だけの「北極星」を道しるべに、百姓ならぬ「二百姓」をゆく
お昼は、「そばのカフェおくど」のテイクアウトメニューで人気のパッションフルーツカレー。12月にしては温かい穏やかな日だったので、皆で棚田を眺めながらピクニック気分のランチを楽しみました。
そして、午後は中田さんのお話です。東京で働いていた中田さんは、東日本大震災で大都市の脆さを目の当たりにしたことで移住を考えるように。縁あって、恵那市の「ふるさと活性化協力隊」として市内岩村町に住むことになりました。7年間を恵那で過ごしたのち、関市に拠点を移し、今に至ります。
中田さんのお話は本当に盛りだくさん!ここでは、中田さんのお話に登場した印象的なフレーズとともに、ポイントを紹介していきます。
◆北極星を持とう!
希望を持って移住しても、いろいろうまく行かないことも当然あります。「なぜ移住したのか」「自分が地方で暮らす意味」を、自分自身にも他の人にもしっかり伝えられるようにしておくのが大切。いつでも立ち返ることのできる言葉、道しるべとなる言葉を持つこと。
◆腐らず「発酵」しよう!
同じ腐るなら、「腐敗」じゃなくて「発酵」を。くすぶる中から生まれる「よきもの」がきっとあります。
◆自分のスキル×地域の不足
東濃エリアはギターやバイオリンなど弦楽器生産が盛んな地。だけど、弦楽器を教える教室はなかなかなく……。そこでギターが趣味だった中田さんは、市内の音楽教室でギター科を開講することに。地域にないものを、自分がもともと持つスキルで補ったり、作ったりできないか?それが新たな仕事や活路になることも。
◆ぶどうの房
自分という軸に、いろんな仕事という実がついているイメージ。実が多いほどリスク分散になります。どれか実が外れてしまっても、軸がしっかりあるなら他の実まで同時に離れてしまうことはありません。百姓を超える「二百姓」になろう!
受講生の皆さん、メモを取る手が止まりませんでした。中田さんが目いっぱい伝えてくださった中から、きっとそれぞれが心に響く「名言」を得られたのではないでしょうか。
受講生と中野方の「これから」
最終回2日目は、受講生の皆さんによる発表会が行われました。全4回を通して考えたこと、見つめてきたことをまとめ、自分の目指すなりわいについて話す場です。それぞれにその方らしさの溢れた発表を聞くことができました。以下、ご紹介します。
◆恵那市内に古民家を購入、移住準備中。野草やハーブ、森林を活かしたセルフケアの場を作りたい
◆移住地探しのマンガをSNSで投稿中。頑張って続けていきたい
◆安心できる食をこの地から。子どもも喜ぶ米粉のたい焼きを作って提供したい
◆今年8月に移住。来年春の民泊・カフェ開業に向け準備中。棚田米や規格外の野菜を活かし、付加価値をつけるサイクルを作っていきたい
◆学生向けの田舎体験プログラム、子育て世帯向けの二拠点生活サービスを立ち上げ。軌道に乗せていきたい
これらの発表を聞いた中野方地域自治区役員や中野方の各団体を率いる方からは、「目からウロコの数々。ぜひ実現を」「こんなに外の人に興味を持ってもらえるとは。自信になった」との感想が聞かれました。
今回をもって、「なかのほうローカル起業カレッジ」第2期は無事終了しました。「視点が変わった」「自分のやりたいことがはっきりした」とのお声もいただき、スタッフも嬉しく思っています。
今期のカレッジも、参加したすべての方にとって前に進む力のひとつになりますように。
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第3期、開講します!
現在、中野方町では「なかのほうローカル起業カレッジ」第3期開講に向け準備を進めています。春頃にこちらのサイトおよびFacebookにて詳細を発表いたします。ご興味のある方はぜひ、この機会にFacebookをフォローしてくださいね♪