2024.8.7 「2024なかのほうローカル起業カレッジ」第1回開催レポート
2024年6月23日(日)、「2024なかのほうローカル起業カレッジ」が開講しました。昨年の第2期に続き、第3期となる今年もバラエティに富んだ「なりわい」を手がける講師の方々をお迎えしていきます!
第1回目の講師は、三重県いなべ市の株式会社松風カンパニー代表・寺園風さん。松風カンパニーは、寺園さん自らが手がける八風農園をはじめとして、ドイツパン専門店、地産地消の食堂・フレンチレストランやカフェ、ギャラリーを運営している会社です。
午前の部の「中野方を知る」レクチャーでは、中野方地域協議会会長の柘植昭男さんから、中野方の現状と課題についてお話を伺いました。
今回の受講生は、第1期から参加くださり3期目の受講となる方、恵那と愛知の二拠点生活を目指す方、愛知県や近隣市からご参加の方など、さまざまなバックグラウンドを持つ皆さん。今回もまた、どんな繋がりが生まれ、どんな発見があるのか本当に楽しみです。
今期も、中野方に移住4年目の運営スタッフ・中畑がレポートをお届けします。それでは、第1回の開催レポートをどうぞ!
中野方の秘密とみんなのヒミツを知る
1日目の午前の部は、中野方地域協議会会長の柘植昭男さんによるお話「棚田を歩き、中野方の未来を考える」でした。広葉樹の植林活動や棚田を守る活動など中野方のさまざまな取り組みについて、そして実は知る人ぞ知るパワースポットである中野方の秘密(!)についてなど、中野方の「へえ!」な話が盛りだくさんでした。
この日はあいにくの雨で予定していた棚田散策は中止となりましたが、代わりに受講生とスタッフ全員の自己紹介タイムをたっぷり取らせていただきました。「私、実は〇〇なんです」「思い描く途方もない夢は?」など、思いがけない回答、思わず笑いが起きた話、共感のエピソードなど、皆さんのさまざまな一面に驚く楽しい時間に。「初めまして」の緊張が解け、より和やかな雰囲気になりました。
そのまま楽しいランチタイムへ。この日は「なかのほう不動滝やさいの会」による恵那の郷土料理、朴葉寿司を皆でいただきました。
いなべに「風」を。会社の一番の利益は「ワクワク!」
午後は、寺園風さんによるお話です。農園とともに、いくつもの人気店を手がける経営者……どんな切れ者が現れると思いきや、Tシャツ・短パン・素足で「やたら水分摂るから」と大きな水筒を持ってやってきた寺園さん。まるで雑談するかのように、気負いなくお話が始まりました。盛りだくさんのお話の中から、注目ポイントをピックアップしてお伝えします。
⚫︎「高校→大学→会社の人生なんてつまらない」
寺園さんは高3の夏に一人で屋久島に行き、旅の楽しさに目覚めます。卒業後はフィンランド、インド、チベットなどで旅の生活を送り、20歳で帰国。当時名古屋にあったオーガニックカフェ「イニュニック」で働き始めました。「何でもやらせてくれる」環境で、みんなで手作り醤油にチャレンジしたり、チャイスタンドを出してみたり、名古屋中心部の繁華街・納屋橋で今も続く「なやばし夜イチ」を始めるなど、たくさんのアイデアを形にしてきました。
⚫︎地図で自分の名前を見つけて移住
その後、自然農で独立したいと考えた寺園さんは、何となく地図を眺めていて、ある場所にふと目を留めました。それがいなべ市の「八風街道」。自分の名前が入った地名に「ここだ!」とひらめき、一度見に行ってすぐに移住を決めました。
⚫︎「楽しそう!」×「ダサいことはしたくない!」
寺園さんが何かをする上での判断基準は、楽しいかどうか。やろうとしたことの絵が浮かび、妄想が広がれば「GO」のサイン。松風カンパニーによる飲食店第1号「上木食堂」から店舗プロデュースを手がけるパートナーの松本耕太さんは、最初から田舎だからと妥協せず、都会でも通用するようなお店づくりに徹底してこだわってきています。この2人による相乗効果が、いなべを吸引力のある場所にしていると感じます。
⚫︎ビジョンは「長く続ける」
会社組織となったことで、自分たちに続いて移住してきた人たちもいて、皆の人生と家族を預かる責任感が生まれたと寺園さんは話します。「みんなの食卓を揃える」という夢に一歩ずつ近づき、楽しみとやりがいとのバランスをとりながら、安心して長く働ける会社を目指しています。
数字のことはあまり考えず、「ワクワクが一番の利益」という寺園さん。成功の秘訣についての質問がいくつか上がりましたが、そういったものは特にないといいます。自分は昔からずっと変わっていない、これまでの自分の生き方の中にヒントがある、と。
今年2024年は、物質的な豊かさを重視する「地の時代」から、内面的な豊かさを大切にする「風の時代」への転換点であるといわれています。お話を伺い、寺園さんはまさに「風の時代」の経営者だと感じました。こんなふうに軽やかに、楽しそうに経営ってできるんだ。そんな勇気と明るさを分けてもらえたように思います。
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第2回は8月25日(日)に開催予定です。前半は、町内の福祉施設「まめの木」にて、移住者であり、「まめに暮らそまい会」理事長を務める浅野章さんによるレクチャー。後半は、恵那市武並町にあるコワーキングスペース「ヤギの家」を運営する沖村るりさんに「地域にないもので切り開く」をテーマにお話しいただきます。
単発受講・2回目からの連続受講も大歓迎です♪
興味を持っていただけたら、ぜひ以下のリンクから詳細をご覧ください。リンクからお申し込みも可能。お待ちしています!
https://nakanoho-ena.com/information/info-event/1391.html