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2024.11.30 「2024なかのほうローカル起業カレッジ」第3回開催レポート

2024年10月6日(日)、「2024なかのほうローカル起業カレッジ」第3回が行われました。

第3回目の講師は、中野方のお隣・恵那市笠置町「みかさぎ麹屋」代表の和田友美さん。「『消えゆく技術』の魅力と可能性」をテーマにお話しいただきました。

毎回、午前の部は中野方のことを知ってもらう機会として、町内の方々にレクチャーをお願いしています。今回は、株式会社えな笠置山栗園の各務一彦さんからお話を伺いました。

今回も、中野方に移住4年目の運営スタッフ・中畑がレポートをお届けします。それでは、第3回の開催レポートをどうぞ!

 

「恵那栗」の魅力を伝えたい。えな笠置山栗園の挑戦

午前の部は、町の中心・コミュニティセンター近くにあるえな笠置山栗園の選果場でスタートしました。まず洗浄されたあと、次々と機械に載って大きさ別に選別されていくたくさんの栗。中には手のひらが隠れるほどの大きさの栗もあり、皆びっくり。熱心に質問する受講生に対し、栗園の方は作業しながら詳しく説明してくれていました。

その後、スタッフの車に分乗して笠置山中腹にある栗園へ。えな笠置山栗園は、栽培面積は約20ha、栗の木は約6,300本という大規模な栗園です。「めざせ日本一」をキャッチフレーズに、生産技術の向上や「恵那栗」ブランドの確立、雇用や交流による地域活性化、6次産業化などに取り組んでいます。

秋になると、恵那・中津川エリアには栗きんとんや季節限定の栗スイーツを求める観光客がたくさん訪れます。この地域の銘菓として知られる栗きんとんですが、実は地元産の栗は10〜15%ほどしか使われていないのだそうです。
寒暖差のある気候や、地域独自の剪定方法など手をかけて育てられることから、味の良さに定評のある恵那の栗。この栗がもっと広く知られ多くの人に届くように。そして持続可能な栗園となるように。えな笠置山栗園のチャレンジは続いていきます。

この日のお昼は、「なかのほう不動滝やさいの会」のお弁当でした。そして、スタッフのお母さんがお家の栗畑で採れた栗で作ってくれた栗きんとんも登場!小さなサプライズに、皆さん大喜びでした。

 

モフモフ・ワクワク!「麹愛」と「つながり」で歩んだ起業3年の道のり

午後は、和田友美さんによるお話です。和田さんは2020年に長年勤めた職場を辞め、麹士の資格を取得。2021年に「みかさぎ麹屋」を開業しました。今や商品は2ヶ月待ち、大人気の麹屋さんです。麹のこと、開業からこれまでの道のりのことなど、盛りだくさんのお話をいただきました。今回も、注目ポイントをピックアップしてお伝えしていきますね。

 

⚫︎ボロボロの心身を救った「麹」

和田さんと麹との出合いは、ご自身の体調不良がきっかけでした。過労で心身ともに疲れ切っていた和田さんは、ある日友人に誘われて発酵食料理の教室に出かけます。そこでふるまわれた料理を食べると、なんだか体の中から力が湧いてきて…。休職するほど追い詰められていた和田さんでしたが、その後は発酵食のパワーでどんどん回復していったのです。一度は復職するものの、麹への想いと探究心は増すばかり。3年かけて家族を説得し、ご自宅で「みかさぎ麹屋」を開業しました。

 

⚫︎人とのつながりを大切に

とにかく、会いたい人にはどこへでも会いに行くという和田さん。麹士になるための修行は福岡・博多へ、そして恵那市内に残る数軒の麹屋さんにも何度も足を運び、教えを乞いました。ビジネスについては、商工会や恵那市の起業アドバイザーに相談を重ねたといいます。
一方、和田さんから教わった人々からのつながりも増えていきます。講師を務めた講座や料理教室からの口コミで商品の良さがじわじわと広まり、メディアの取材も受けるように。いつしか顧客の輪は全国に広がっていきました。

⚫︎「人生と季節の流れに逆らわない」

起業からこれまでの約3年はまさに怒涛の日々。全国飛び回って麹を学び薬膳を学び、製麴・商品作りと販売、各種講座や発酵サミットなどにも関わる一方、義理のお父様の介護も始まり、多忙を極めていました。そんな中で腸重積を発症、3ヶ月入院することに…。つい頑張りすぎてしまう和田さんを休ませるための、天の配剤だったのかもしれません。
和田さんはこの「強制休暇」を経て、自分の情熱や「やらなきゃ」という思いと、その外側にある大きな時間や運命の流れとの調和を図ること、つまり「人生と季節の流れに逆らわない」ことが大切だと実感するようになります。

 

⚫︎強力なパートナー登場!新たな拠点も

そしてついに、ひとりで「みかさぎ麹屋」を切り盛りしていた和田さんに「頼れる右腕」が現れます。それは、実妹の樋田夏子さん。和田さんと同様に長年勤めた職場を辞め、この春から「みかさぎ麹屋」のスタッフとなりました。姉妹ながら、性格や得意なことがまったく異なるというお二人。同じ目標を見据えながら、それぞれの強みを活かして歩んでいきたいと話します。
さらに、現在は新拠点の準備も進行中。麹作りやワークショップ・講座に加え、新拠点での店舗・カフェの開設、商品開発研究にも取り組んでいきたいとのこと。着々と次のステージに進んでいます。

和田さん手作りのクラフトコーラと米粉ケーキを皆でいただきました。

講義終了後は、「みかさぎ麹屋」商品のミニ販売会も。皆さん嬉しそうに手に取って、和田さんや樋田さんと麹談義に花を咲かせる姿が印象的でした(私も買いました!)。今回の受講者さんの中には、「ぜひ和田さんのお話を聞きたい!」と来てくださった方が多くいらっしゃいました。ここにも、和田さんの一途な想いが築いてきた確かな「つながり」を感じました。

 

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第4回は12月8日(日)に開催予定です。前半は、「なかのほう不動滝やさいの会」鈴村佳代子さんによるレクチャー。後半は、岐阜県山県市の料理家「一鴎 ikku」石井まなみさんに「土地に根ざした暮らしの楽しみ方」をテーマにお話しいただきます。

単発受講も大歓迎です♪
興味を持っていただけたら、ぜひ以下のリンクから詳細をご覧ください。リンクからお申し込みも可能。お待ちしています!

https://nakanoho-ena.com/information/info-event/1391.html