お問い合わせお問い合わせ

お知らせ

2024.8.27 【地域おこし協力隊サポートメンバーが語る】「最高の食」はここから!中野方ってこんなところ

現在、募集中の「中野方から最高の食をつくる!」地域おこし協力隊。棚田米や恵那の誇る栗、中・小規模農園で手をかけて作られた野菜など、実は隠れた食材の宝庫である中野方で、その魅力と底力を活かし、伝えてくれる人を求めています。

希少・高級な食材も、最新のトレンドも、都会にいる方が手に入りやすいでしょう。でも、田舎で暮らすことに関心を持つ人はきっと、何でも手に入る便利な都会の暮らしにはない何かを求めているのだと思います。

ここ中野方にあるのは、山奥の決して楽ではない暮らしの中で生み出されてきた工夫の数々、受け継がれてきた知恵。そうしたものを掬い上げ、地元の人にも外の人にも喜ばれ、愛される食の「宝」を作りたい。そう思ってくださる方との出会いを願って。

というわけで、今回は中野方町の地域おこし協力隊サポートメンバーの7名が集合。中野方町と協力隊を語る座談会を行いました。読んでみて「面白そうだな……」と思ったあなたは、きっと中野方と相性がいいはず!

(座談会進行・文/中畑裕美)

 

▼恵那市地域おこし協力隊の詳細・応募はこちら▼
https://nakanoho-ena.com/information/1538.html

 

【座談会に登場する人々】

柘植 昭男:中野方地域協議会会長
田口 哲雄:移住定住委員会「おんさいなかのほう」委員
高橋 英治:恵那市中野方振興事務所 所長
大江 純恵:地域支援員
長江 賢太郎:地域支援員
浅谷 満実子:NPO法人恵那市坂折棚田保存会 事務局
中畑 裕美:いいなか人材ネットワーク事務局

 

中野方の魅力を教えて!

 

--魅力を語る前に、まずは中野方の簡単な紹介と将来像を柘植昭男会長からお話しいただきましょうか。

柘植:恵那の市街地まで車で20分、利便性がいい「ほどほどいなか」です。本当に住みやすい田舎だと思うんだけど、人口は減ってっちゃう。こんないい所、限界集落にするのはもったいない。日本全体の人口が減っていく中で「発展」は難しいかもしれないけど、「継続」できる田舎にしていきたいと思っています。

 

--サステナブルな田舎に、ですね。田舎は数あれど、中野方だからこその魅力ってなんでしょう。中野方に着任して2年目の高橋所長、いかがですか?

高橋:やっぱり、食べ物がおいしいですよね。よく聞くのが、特に期待せずに来た人が「こんなにおいしいものが食べられるなんて!」と感動する話。僕も棚田米を初めて食べたときは驚きました。もう、ご飯でご飯が食べられちゃう感じ。でも、そんなおいしいものがゴロゴロしているのに、地元の人は全然気づいていないという……。

柘植:多治見の姪っ子も、棚田米は冷やご飯をレンジでチンしてもおいしいと言うね。すごくいい香りがするって。

長江:中野方こども園は市内でも数少ない自園給食(ご飯のみ持参)で、使う野菜の約7割は中野方産。給食の前には年長の当番の子が「今日のきゅうりは〇〇さん家で採れました」みたいに放送するんだよね。近くのおじいちゃん、おばあちゃんたちが手をかけた野菜を食べて、ここの子どもたちは育っていきます。

--こども園や小学校では、町内の「野菜名人」に教えてもらいながら子どもたちも畑で野菜を育てますよね。ほかにも、郷土料理「朴葉寿司」に使う朴葉を取りに行ったり、豆腐や味噌を作ったり。小さなうちから農や食の原点に触れる機会が多くあるのがいいなぁと思っています。

高橋:そして、僕が実感して人にもよく話すのが、中野方の自然の「濃さ」。きれいな自然がある田舎ってそれこそどこにだってあるんですけど、中野方の「水源の森」や笠置山に実際に行くと、なんというか、自然の純度の高さを感じます。都会から訪ねてきて「すごいパワーを感じた!」と言う人が本当に何人もいますよね。スピリチュアルな能力のある人からすると、何かこう、波動が見えるらしいですよ。プラスのオーラが流れ出ているとか。

柘植:この前来た子も、笠置山の石に触れるとパワーを感じるって言っとったね。

田口:霊力の強い山だという話は昔からあるね。その力を頼って、かつては落武者が逃れてきたとか……。

--中野方パワースポット説、実はけっこう内外に知られていたりしますよね。笠置山の霊力に守られて暮らしていると思うと、力が湧いてくるかも。

 

「地域おこし協力隊」募集の背景は?

 

--恵那市としての募集は5年ぶりとのことですが、なぜまた募集することになったのでしょう?

高橋:やはり担い手不足が一番の理由です。高齢化が進んで、地域の中でまちづくりに取り組む人材が不足しています。行政として地域振興に予算をつけてきたけれど、やはり人がいなければ何も進まないですよね。意欲や経験、スキルのある人材を広く募り、まちづくりの一翼を担ってもらおうということで、5年のブランクを経て改めて募集することになりました。以前と異なるのは、雇用型ではなくフリーランス型での募集ということですね。

 

ーー今回は市内でも地域別に異なるコンセプトで募集していますね。中野方が募集に手を挙げた理由は?

大江:中野方にはまちづくりに関わる5つの法人があって、これらを立ち上げて頑張ってきた人たちが70代くらいになりつつあります。承継を考えなくちゃいけない時期なんだけど、人がいないからなかなか進まなくて。それで、協力隊という形で新しい力を入れられたらいいなと思って手を挙げました。

長江:町内の20〜50代の現役世代はほとんど町外の会社や事業所に出勤して働いているから、まちの課題解決に取り組める人が少ないんですよね。それで、移住して町内でなりわいを持っている僕たちがまちづくりに関わっているんだけど、中野方で起業して一緒に課題解決に取り組んでくれる仲間が増えたらいいなと思っています。

大江:今年度で3期目の「なかのほうローカル起業カレッジ」も、そんな思いでやってきたんだよね。

 

中野方の協力隊募集テーマ「最高の食をつくる」について

 

--中野方のテーマはなぜ「農と食」なんでしょう?

高橋:町内の5法人のうち、4つは農と食に関わる法人なんですね。農と食に取り組んでいくという方針で町がまとまってきた歴史がある。そして、さっき話したように実際に食材の実力もすごい。だからもう、これしかないという感じでしたね。「農と食」で頑張れば、この町は絶対元気になると。

--「中野方といったら農と食だ!」という自覚は、昔から町民の中にはあったのでしょうか?

柘植:自覚というよりは、どっちかというと、それしか打ち出すものがないという感じだったかな。とりあえず、町で採れた野菜を道端で売ってみようと始まったのが5法人のひとつ「なかのほう不動滝やさいの会」。それがなかなか好評だったから、次は食堂やってみよう、加工食品も売ろうと、今の形になってきたんだよね。棚田も最初は、地元の人はその価値に全然気づいていなかった。

浅谷:恵那市坂折棚田保存会」の始まりは、たったの数人からだったといいます。地元の人にとっては、棚田は中野方じゅうにある見慣れた風景すぎて、「ただの田んぼじゃん」みたいな感じだったらしい。麹漬け文化や、おばあちゃんが作り続けてきた漬物や保存食とか、「これって実はすごいよね」というものが中野方にはいっぱいあると思います。

 

こんな人、歓迎します!

 

--では、中野方の地域おこし協力隊としてどんな人に来てほしいですか?

柘植:そりゃあ、田舎の好きな人さ。……なんて簡単に言っちゃうけど(笑)わりとしっかり報酬が出るから、それなら行ってもいいかなみたいな人はいらない。自分の夢や思い入れがあって、この中野方でそれを叶えて継続していこうという人に来てほしいね。

田口:自分の思いとともに、この中野方という場所を気に入ってくれる人でないと続かんよね。なんとなく来るだけなら1年持たんやろうと思う。

大江:自分の夢や思いがしっかりありながらも、地域に関心を持って、自分と地域をなじませていけるような人がいいんじゃないかな。ここで暮らすことに面白さを日々感じられる人。

高橋:さっき浅谷さんが話していたように、ごく当たり前のように続いてきたことの中にすごいことが隠れていたりします。そういう中野方の生活や文化の蓄積に興味を持って、その良さを引き出してくれる人だといいですね。

 

未来の隊員さんへ。こんなサポートをします!

--最後に、来てくれる隊員の方に、サポートメンバーの私たちができることをそれぞれ教えてください。

柘植:とにかく困ったことがあれば私に相談してください。誰に相談したらいいか迷ったら、まず会長へ。相談窓口としていつでも対応しますよ。

田口:外から来たら、時には孤独感や孤立感を感じることもあるかもしれません。でも、いつでもみんなで見守り、一人にさせない態勢をつくります。

浅谷:「不動滝やさいの会」で働いていたことがあるから、「あのおばさんがこんなの作ってるよ」「あれはあの人のところに行けばあるよ」みたいなことはだいたいわかります。食のことで気になること、知りたいことがあればいつでも聞いてください。

高橋:行政上のお悩み解決は僕に。あと、きっと食に関わる人や起業する人同士仲間がほしいと思うので、町外のネットワークから誰か紹介するなど、人と人とをつなぐお手伝いができると思います。

長江:僕も移住者で、ここでなりわいを作ってきたので、近い目線で共感したり、相談に乗ったりすることができると思います。気軽に声をかけてくださいね。

大江:私は地域おこし協力隊の前身のような、恵那市独自の「ふるさと活性化協力隊」として移住してきたので、中野方のまちづくりの経緯や全体像はだいたい把握しています。まちづくりやまちの組織、仕組みに関して知りたいときは聞いてくださいね。

中畑:長江さんと大江さんは地域支援員として、高橋さんは振興事務所所長として振興事務所にいますから、顔を出せば3人のうち誰かには会えるという安心感がありますよね。私は移住4年目でメンバーの中では最も新参者なので、近い立場でお話しできると思います。そして本業はライターなので、PRや発信が必要になった際は伴走しますよ。

 

--サポートメンバーのうち4人は移住者で、園児から小・中学生、高校生までいろんな年代の子どもを育てています。だから、子どもがいる方へのサポートもいろいろできるんじゃないかと。

中畑:例えばこども園・学童の様子とか、習い事はどうしてる?とか、普段子どもたちはどうやって遊んでいるのか、とか。もう少し大きい子になると、通学方法や進学事情もきっと気になりますよね。それぞれ経験者がいるから、いろいろアドバイスすることができると思います。

大江:というわけで、サポートする人はたくさんいるから、安心して来てくださいね!