中野方での暮らしって、どんな感じ?「おためし移住」レポート
恵那市の最北端、中野方町で募集していた「中野方町へおためし移住!」。今年1月、このプログラムを利用して、東京からUさんファミリーが訪れてくださいました。
恵那市の他の地域も回りつつ、3歳・0歳のお子さん連れでUさんご夫婦が中野方にやってきたのは1月12日、3連休の中日の午後のこと。かつて東京に住んでいて、家族で約3年半前に中野方に移住した私たちが、移住の経緯や現在の生活についてお話しさせていただきました。
今回は「Web上おためし移住」的に、Uさんご夫婦からのご質問とその回答についてご紹介します。「子育ては?」「仕事は?」「生活は?」都会から移住する上で気になるポイント、少し見えてくるかも?
(文:中畑裕美)
田舎で子育て、実際のところどう?
Q:働いていて子どもを預ける場合、東京ならほとんどが「保育園」。恵那市では基本的に市立の「こども園」に入れることになるそうですが、中野方こども園はどんな感じですか?
私が東京から中野方に来たのは、息子が年中クラスの夏のことでした。まず、人数が少ない(笑)。うちの子のクラスは、息子が入って10人。その分、一人ひとりに手をかけてもらえるためか、東京の子に比べると自立が早い印象がありました。
園生活は、核家族&フルタイム共働き前提の東京の園と違い、親参加の行事は多めです。あと、町内くまなく散歩するので体力がついたし、息子は私よりも先に中野方に詳しくなりました。畑仕事やクッキングは、年間を通して取り組んでいました。
保育園同様、0歳児から預けることが可能です。お迎えは…みんな早い!東京の感覚でいると焦ります。東京の頃は18時過ぎの延長保育の子もクラスの半分くらいいましたが、中野方では17時半過ぎると園全体で最後の1人になっていることも…。そして、警報が出るとお休みになります。いずれ慣れますが、最初はちょっととまどうかも。
Q:小学校生活はどうですか?学童はありますか?
基本的に、こども園と同じメンバーで小学校に入ります。今は全校で60人と少しくらい。人数が少ないので、皆1年生から6年生まで顔も名前もわかっているし、お昼休みなどは学年関係なく一緒に遊んでいるようです。異年齢の子たちと自然に関われるのは、一人っ子の我が家にとってはすごくいいなと思っています。
うちから学校までは歩いて40分くらい。そこそこ長く歩きますが、1年生の頃から特に嫌がることもなく、近くに住むお友達と楽しく歩いていきます。
学童は小学校の向かいにあります。こちらもこども園同様、17時半くらいがお迎えリミットです。町内の(大)先輩お母さんたちが指導員をしてださっており、アットホームな雰囲気。夏・冬・春休みの預かりもあります(要お弁当)。基本的に利用は4年生までとなります。
Q:中学校、高校はどうなりますか?
中学校は、中野方の隣・笠置町にある北中学校にバスで通うことになります。高校は、恵那市内に複数あるほか、恵那駅から電車通学もできるので、中津川や多治見、名古屋の高校に行くという選択肢もあると思います。
Q:習い事はしていますか?
選択肢がないようで、意外とみんな習い事はいろいろやっていますね。中野方町内では、剣道、スポ少、ピアノ、バイオリン、書道ができます(私の知る限り)。うちの子は恵那の街中にあるロボット教室に通っています。その他、恵那市内外へダンスやスイミングに通っている子もいます。大人も含めて、意外と習い事は楽しめる気はします。
Q:東京から中野方に来て、子どもの変化はありましたか?
あるといえばあるし、ないといえばない(笑)。田舎に来たからといって、野山を駆け回り何でも自分で作っちゃうようなワイルドな子になるわけではないです(そういう子も確かにいますが)。うちの子はゲームとYouTubeを愛するお家大好き少年ですが、私たち親がそもそもインドアなのでそんなもんかなぁと。だからその分、園や学校で畑仕事したり、たくさん外遊びしたりできる環境なのはありがたいなと思っています。ただひとつ言えるのは、こっちに来てからほとんど体調を崩さなくなりました。驚くくらいに。
起業・就農以外の仕事の選択肢は?
Q:移住するだけでも大変化だから、仕事まで変えてしまうのは私たちにとって現実的ではありません。でも、いろんなメディアで目にするのは移住を機に起業や就農した人の話ばかりで…。今はどんな風に仕事をしていますか?
私は移住前からフリーランスのライターをしており、仕事はそのままです。夫は東京では営業職の会社員で、移住を機に恵那市内の企業に転職。未経験の業種ですが、職種は同じ営業なので経験を活かせる仕事に就くことができました。
恵那のような小さな街の求人は、大手の転職サイト等ではまったく出てきません。だから、東京からWebで地方の仕事を探すと「全然ないじゃん」となります。ですが、お金をかけて求人を出しても人が来ないから出していないだけで、実は人を求めているところは多くあるというのが実感です。夫の場合は、「恵那くらしビジネスサポートセンター」が仕事探しの大きな味方になりました。親身になってお世話していただき、本当に感謝しています。
Q:リモートで働いている方は、中野方にいますか?
私の知る限り、私のようにフリーランス専業で働いている人はほぼいないと思います。ですが、会社員としてフルリモートや時々リモートで働いている人は何人か知っています。移住のひとつの形として、そういう働き方を選ぶ人は増えていくんじゃないかなと思っています。期待も込めて。
住まいと日々の生活のリアル
Q:家はどのように見つけましたか?
中野方には定住促進住宅「住まいる中野方」という賃貸住宅があって、最初はそちらに住んでいました。当時はまとまった資金がなかったので、賃貸で住める家があったのは移住先を決める上で大きな決め手となりました。
「住まいる」は一応10年間は住めるので、定住する家はお金を貯めながらゆっくり探そう…と思っていたのですが、そこに突如現れたのが今住んでいる家。空き家バンクではなく、一般的な中古住宅として不動産屋さん経由で売りに出されていました。
その家を周りの人々がなぜかやたらと勧めてくるので(笑)、「見てみるだけでも…お金ないけど」と内見したらあれよあれよと話が進み、移住して2年も経たないうちに定住に至りました。振り返れば、ご縁だったんだなぁと思います。
Q:東京と比べて、生活コストは下がりますか?
賃貸の場合は、家賃が劇的に下がります。「住まいる」の家賃は、私たちが東京で暮らしていた時の家賃の約1/4でした。持ち家になった今も住居費は東京の頃よりかなり安いですが、固定資産税や浄化槽の管理費用などが発生します。
光熱費は、暖房費がかさむためやや上がった気がします(オール電化の我が家の1月の電気代は3万超+灯油代数千円)。あとはやはり、車にお金がかかります。東京にいる頃は車を持っていなかったので、車検に自動車税にタイヤに…と次々お金が飛んでいくのにはちょっと怯みます。
一方、食費は下がりました。東京に比べると外食や飲み会の機会がぐっと減りますし、旬の野菜は近くでお安く手に入ります。野菜はご近所からいただくことも多いですし、畑があれば、うちのように週末菜園程度でも少しは自分で作ることもできます。
これは我が家の場合ですが、移住前・移住後両方の暮らし方によって、コストの感じ方にはかなり差が出ると思います。
Q:ご近所付き合いや、自治会活動はどんな感じですか?
東京でそういった人付き合いとはほぼ無縁で暮らしていた身からすると、ゴミ拾い、お祭り、いろんなお役目など…やっぱり多いと感じると思います。でも、移住するにあたって「そういうもんだ」と腹を決めて来たので、だんだん馴染んでいくものです。それで顔馴染みやお話しできる人が増えたりするので、できる限り参加するようにしています。
(ちなみに当日は区の「どんど焼き」で、Uさんたちとのお話までは地域の人々と火を囲んで飲み食いしていました)
「住まいる」の頃も今も、それぞれのご近所の方々は本当に良くしてくださり、ありがたいなと思います。野菜や苗をいただいたり、畑のやり方を教えていただいたり。中野方全体として、外から来る人を受け入れるマインドがあるように思います。それは土地柄もあるのかもしれませんが、先輩移住者さんたちのおかげでもあるんだろうなと思っています。
Q:荷物はちゃんと翌日など指定日に届きますか?
なぜか都会の方によく聞かれる質問ですが、Amazonはちゃんと翌日に来ます。お届け日指定も大丈夫です!
(ただし、時間指定は利かない場合あり)
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Uさんご夫婦とのお話が終わったあと、それまで外で近くの子どもたちと遊んでいた息子が戻ってきました。Uさんたちと息子が会ったのはその一瞬だけでしたが、Uさんが後日、「東京から来たお子さんがこんなふうに地域に馴染んですくすく育っているんだなと、ロールモデルを見せていただいたように感じました」と伝えてくださいました。
移住こそしたけれど、特別なことは何もせずただここで暮らしてきた息子ですが、田舎ののびのびとした空気をしっかりまとっているんだなと、私の方が感じさせられた一言でした。
棚田からの眺めを気に入ってくださったUさんご夫婦。
移住に向けてこれからアクションを起こしていきたいとのことで、ぜひ今度はゆっくりと、中野方を訪れてくださったらいいなと思いました。



