恵那が好きでUターン 鍼灸院を営んでいます
●秋田壽紀さん、明音さん 琴音ちゃん 修司くん 野々香ちゃん
2016年に恵那市にUターンし、鍼灸院を営んでいる秋田さんご家族。もともと地元に貢献したい気持ちがあったそう。Uターンしたそのきっかけと暮らしについてお伺いしました。
◆Uターンするきっかけについて
●Uターンして何年目ですか?きっかけは?
秋)6年目ですね。もともと地元がこっち(飯地町)だったので、鍼灸院を開業しようと思った時に、いろいろと場所を探していて。恵那市内でも探したのですけど、恵那市の空き家バンクにここが登録されていて、ここがいいんじゃないかってことになって。それがきっかけですね。ここだったら通りに接しているし、お店やるのだったらこの家でやれるかなと思って。
●奥様はどう思いましたか?
明)もともと自分の田舎で開業したいというのは話合っていたので、見に来てみたらよさそうな物件でしたし、賛成しました。
●住んでみてどうですか?
秋)住みやすいですね。子どもの数もが少ない分しっかり見てもらえてるかなと思いますし。
明)子育てするのに、わりとのんびりしていて、まちの中心部にすぐ行けますからね。恵那だと街中だと車も多かったりするんで、まあのどかだなと。
●奥様の実家(山形県酒田市)もこんな感じなんですか?
明)恵那市内っぽい感じです。人口はもっと多いですけど・・・。
秋)逆に無駄なものをちょこちょこ買わなくて済みますからね。子どもが欲しい欲しいって言っても。ちょっと出 てくんじゃなくて、だいぶ出てかなくちゃいけないですしね。
●ネットもあるからね。
秋)そうですね。
明)もうネット通販でいいですよね。まぁ住んで慣れれば。
◆移住のタイミングについて
●移住される前の暮らしというのは、場所はどちらでしたか?
秋)大垣ですね。もっとまちなかで。
●大垣の方が冬は雪や伊吹おろしとかあって寒くないですか?
秋)わりかし西濃の方が雪は多いですよね。
●お子さんは大垣で出産されたのですか?
秋)大垣にいる終わりごろの時に子どもができて、妻が里帰り出産しました。
明)一人目だったので里帰り出産して。
●お子さんが生まれるのをきっかけに、ご両親の近くで暮らそうというきっかけがあってUターンだったのですか?
秋)もともと10年修行してと考えていたので、ちょうど10年だったんです。
明)もともと戻るつもりはあったんですよ。
秋)そういうタイミングで、子どももできて。
●恵那に戻ってくるつもりでいたんですね。
明)そうだよね?
秋)そうですね。
明)うちの両親も、私のほうの名字だけ残してくれれば、別にどこでも行っていいよっていう感じだったので・・・。
●実家に帰れてますか?
明)もう全然帰れてないです。
秋)もう3,4年帰ってないね。
明)コロナのせいもあるけど、ちょうど2番目の子を妊娠して、こども園に上の子が行っていたんで、もう帰らずにいました。ちょうど恵那病院で出産ができるようになった頃だったので、じゃあこっちで産もうかって話になって。そしたら生まれたのが2019年の1月で、もうある程度落ち着いて実家に行けるかなって思っていたら、新型コロナが流行っちゃって。もう、3,4年くらい帰れてないです。
●ご両親ともなかなか会えないのですね。
明)父が運転してきてくれるのですよ。たまにというか、本当に年に1回あるかって感じですね。まるっと12時間くらいかかりますね。
秋)お義父さんは、まだ仕事しているんでなかなかですね、だから来るとしても日帰りで来てくれるんですよ。めちゃくちゃですよね。
奥)孫の顔だけ見て帰るみたいな。
●それでも来てくれるなんていいお父さんですね。ご主人のご両親は飯地町でしたね。
秋)はい。子育ても手伝ってもらって、ありがたいですけど。
●子どもがいると、なんだかんだ言っても、通える距離に親がいるってありがたいですね。
秋)そうですね。
◆移住後の暮らしについて
●移住後はどうですか?
秋)もともと勤めから開業というふうになって、生活がガラッと変わったんですね。大きいところだと地域のつながりが全くなかったですね。アパートに住んでいたんで、地域とのつながりが全くなかったんで。こっちに来てからそういう付き合いをするようになったので、いろいろとお祭りに参加させてもらったりして、楽しいですね。またコロナのせいで止まっちゃってますけど。
●奥様は、地域のつながりはどうですか?めんどうだなとかはないですか?
明)あんまりないですね、むしろ外から来た人だと知って、いろいろ教えてくださるので、わりとあっさりしてますね。
●私が移住してきたときは、まだ自宅でお葬式をする家があったんですよ。
秋)そうなんですね。そういうことはないですね。
明)お葬式の手伝いとかはないですね。ちょっとした当番みたいなものはあるけど、お祭りのお供え餅をみんなでつくるとかはまだありました。コロナになる前までは。
●5区は投げ餅を作ったりしてたんですね。
明)作ってましたね。出れるうちは出て、まぁうちは、子どもが小さいっていうのを説明したら、じゃあ来れる範囲でいいよって言ってくださったので、そこはありがたいですね。
◆空き家の購入とリフォームについて
●今の家はどのようにして決まりましたか?
秋)治療院を併設してやりたいというのもあって探していたところ、恵那市の空き家バンクをみて、ここがもともとお店をやっていたこと、店舗と自宅が併設している家だったので、ここに決めました。自分にとってはちょうどいい空き家だったです。
●ちょうど見つかってよかったですね。地元の方々とここは、お店をやりたい人じゃないと決まらないだろうなと話していたので、ホントよかったです。
秋)そうですね、逆に普通の人には。
明)広すぎるからね。
●当初の建物からだいぶ変わりましたね。
秋)だいぶリフォームしましたからね。中の間取りもだいぶ変わりました、二つの部屋をぶち抜いて一つの部屋にしましたからね。
●昔のままだと使いづらい部分もありますね。空き家改修補助金は使いましたか?
秋)使いました。100万だったかな。リフォームしようと思ったら何だかんだかかりますからね。空き家改修補助金があるのはいいですよね。全部使いました。
明)あと恵那市からIUターン者への補助がちょっとあって、それも使いました。それがいくらくらいだったかな。
●そういう補助金があって助けになりますね。
秋)そうですね。
●リフォームした箇所はどこですか?
明)店舗と自宅をほぼ全部直しました。
秋)本当は2階もあるんですが、直してなくて、子どもが大きくなってから子供部屋でまた直そうと話して、今は物置になってます。
明)大きくなると部屋が欲しいとかあるんですか?
●基本的に冬は寒いからみんな一か所に集まっていますね。中学生になると勉強机でするようになるかな。でもうちはワンルームの部屋を仕切って机を置いているので、そこでやってたり、高校生くらいになるとやっぱり部屋が欲しくなるかな。
秋)大きくなって、部屋が欲しくなったら直せばいいかなと思って。欲しがらなきゃしなくてもいいですしね。両親もどうなるかわからないですしね。もしかするとこっちに来るようになるかもしれないですしね。
●空き家を購入するときの購入資金はどうされましたか?
秋)住宅ローンを組んで、開業と一緒だったので。あとはもともとの貯金を使いました。
●リフォームの話になりますが、空き家改修補助金を使っても持ち出しはありますね。
秋)結構ありますね。だいぶ改修したので。
明)なのでローンを借りられて助かりました。
◆田舎で子育てする環境のメリットデメリット
●3人のお子さんのいる生活はどうですか?
秋)ばたばたです。
●子育て環境のメリットは感じてますか?
明)メリットは、逆に子どもが多すぎないから目が行き届きやすいのかな。増えてはほしいけど、みんなと仲良くなれるのはいいなと思いますね。今年長さん10人で多い方というのは、ちょっと切ない気もしますが。
●今のところ子ども園、小学校は、1学年が10人くらいですね。中学校でも1学年30人くらいです。
秋)そんなに減ってるんですね。僕は恵那北中ができた時に入った年代ですから、その時は1学年70人くらいいたんですよ。中野方はその当時もすごく多かったですね。飯地の同級生は13人くらいいたけど、自分の子供の時の人数が今の中野方小学校の人数くらい感じになってきているんですよね。飯地小から北中になった時は、めっちゃ多いなって思いましたね。
●70人もいたら部活もいろいろあってよかったでしょうね。
秋)そうですね。
●今部活が成り立たなくなってきてるからね。
秋)そうですよね、人数のいる部活はやるのが厳しくなってきますよね。卓球とか個人競技になってきますね。
◆これからここでしてみたいこと
●子育てでお忙しいと思いますが、ここでしてみたいことは何かありますか?
秋)交流ができるといいなと思います。自分もなかなか仕事が忙しくて参加できないですが、妻も子育てで一杯一杯だから、もう少し落ち着いたら、いろいろな方と交流して仲間内を広げていけるといいなと思っています。
●5区は若い人の無尽はありますか?
秋)ありますね、若い人というか、5区の男衆で無尽をやっていて、コロナが始まるちょうど1年くらい前に、もうお年寄りの方は、辞めるわって言われて、60代から下の年代の人が集まってる感じです。月1でやってましたね。前はお金集めてたりしましたけど、今は普通の飲み会だけで、もうお金の管理がめんどくさいからって。前はみんなで旅行とかも行ってましたけど。そういうのも無しで、取り合えず飲み会だけしようというふうになったんですけど、コロナでずっとできていない感じです。
●消防団は入ってないですか?
秋)入ってないです。仕事柄ちょっと無理ですね。
●女性の無尽もありますか?
明)ないんじゃないですかね。公民館清掃で集まったりするぐらいですね。
秋)班長さんが集金に回ってくるくらいですね。
明)それこそ公民館清掃とか、どんど焼きとかで顔合わせるみたいな感じですね。夏祭りがあればですけど、今なくなっちゃったから。
●3月になると氏子様のお祭りとかお雛菓子を配布されるとかありませんか。
明)ありますね。
秋)ここはさくら様といって、あそこの神社のお祭りがあって、そこで餅投げしたり、お菓子投げたりします。
◆今後のIUターンしてくる方にアドバイスを
●これからIUターンしてくる方へアドバイスがあれば。
明)車は運転できるといいです。車はやっぱり1人1台いると思います。
●Uターンするにあたりご両親の帰ってきてほしい意向はあったのですか?
秋)もともと自分の住んでいる地域に、地域貢献したいという部分もあったので。
明)あと、自分の知ってる土地の方がやりやすいですよね。というのがUターンの人はあるんじゃないでしょうか。
秋)お店をするならやりやすいかなという理由もあって。ちょこちょこ同級生もいて、今の子ども園の未満児の先生が同級生だったりしますしね。中学校の同級生が、子どもの同級生だったりしますね。こども園でも保護者に何人か同級生がいますね。
●ご両親からいずれは戻って来いよって言われていたのですか?
秋)そういうわけではなかったですね。
●恵那が好きなんですね。
秋)ま、そうですね。
●恵那のいいところは何ですか?
明)わりとのどかだと思います。ちょうどいい感じ、人付き合いも。濃すぎず薄すぎずみたいな感じがしましたね。ここの生まれだともっといろいろあるのかもしれませんが、移住してくる人にとっては、いろいろ気にかけてくれるけど、あんまり踏み込んでこない距離感はちょうどいいんじゃないかなと思いますね。
●そういう時代になったというのもあるかもしれないですね。
秋)そうですね、変わりつつありますね。
明)上の世代の方がわりとわかってくださっていますね。理解はあると思います。
個人的に改善というか、思うことは、町内の草刈り作業などの時に、草刈り機を貸してもらえると嬉しいですね。移住してくる方は持っていない人もいると思うので。
取材2022.2月