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2023.10.5 中野方町生活だより part.5

中野方町生活だよりpart.5

こんにちは。中野方町で滞在している今関悠也です。

今回は新しい試みとして、中野方町の町民の方にインタビューした内容を実際に文字に書き起こすことを通して、中野方町の魅力である「人」を紹介したいと思います。

~魅力いっぱい!中野方町の人たち!~

1人目・柘植昭男さん

紹介する一人目の方は、中野方町自治振興会会長の柘植昭男さんです。昭男さんは、私が中野方町で生活する中で大変お世話になっている方です。そんな昭男さんに、中野方町のお米のこと、そして中野方町の魅力についてお聞きしました!

今回、書き起こした内容は、私が運営しているポッドキャスト「恵那住録」で収録した内容から抜粋したものになります。(文字起こしの都合上、コメントを編集しております。)リンクを下に貼っておきますので、よろしければそちらも聴いていただけると嬉しいです!

昭男さんについて

――昭男さん、自己紹介していただいてもいいですか。

昭男さん:「第一部集落営農組合の設立から事務局をやっています。中野方自治振興会、中野方地域協議会の会長もやっています。」

――第一部営農組合に携わるまでの経歴など教えていただいてもいいですか。

昭男さん:「もともとサラリーマンで、NTTという会社に勤めて、30歳から55歳まで中野方町から名古屋市に通勤していました。56歳からは通信建設会社に5年、その後電気通信資材会社に5年に勤めました。今は退職して、営農組合に所属しております。」

~第一部集落営農組合の立ち上げの経緯~

――なぜ第一部集落営農組合を立ち上げられたのでしょうか。

昭男さん:「中野方町には専業の大規模な農家はほとんどありません。小規模な農地でトラクターや田植え機、農機具を個人で買って運営していたので、とても非効率だったんです。それで平成12年に集落営農組合を立ち上げて、田植え機、コンバインなどの大型機械を共同で購入して運営していくというスタイルにしました。平成17年にはライスセンターとして、稲刈りしたお米を乾燥させてから玄米にする機械を導入して現在まで運営しています。」

ライスセンターについて~

――私も先ほど行きましたが、ライスセンターには多くの機械がありますよね。もみの着いたお米が玄米に至るまでの工程を紹介していただいてもいいですか。

昭男さん:「まず、コンバインで刈り取った籾を乾燥機(下の写真)に入れます。お米は刈り取った際に20~30%の水分を含んでいるんです。そのままだと玄米には出来ないのと、正月頃にカビが生えるので、14%の範疇まで水分量を落とす必要があるんです。これが第一工程ですね。」

昭男さん:「次の工程は、刈り取った稲に着いた籾を籾摺り機で取り除く工程になります。その次に、お米に着いた石などを石抜き機にかけて取り除きます。そして、未成熟米や雑草の種を取り除く米選機にかけて、最後にカメムシの被害にあって黒くなったお米や、今年のように暑い日が続いて高温障害になった白いお米を取り除く色彩選別機にかけて、やっと出荷できるきれいなお米が出来るんです。そして最後に袋詰めですが、米袋は30キロと15キロの2種類に袋詰めしています。」

――毎年どれくらいのお米がライスセンターに入ってきているのですか?

昭男さん:「ライスセンターで取り扱っているお米の量は、だいたい15町歩の田んぼでとれるお米、約75トンくらいですね。(一反あたり500キログラム収穫していると仮定)」

――笠置町(中野方町のお隣の町)からも農家さんがいらっしゃっていますが、中野方町以外でもお米を受け付けているんですか。

昭男さん:「このエリアで色彩選別機を導入しているところがほとんどないので、近隣の方も色彩選別をかけるために中野方町のライスセンターにおいでになる方もいますね。」

 ――ライスセンターで一番大変な工程とはなんでしょうか。

昭男さん:「一番大変なのは力仕事ですね。持ち込んだ30キロの袋を色彩選別機にかけたり、コンバインで刈り取ったお米を乾燥機に入れたりする工程が大変ですね。」

~今年のお米について~

――今年、収穫したお米の状況を教えていただいてもいいですか。

昭男さん:「今年はカメムシの被害は少なかったんですが、白いお米が多いんです。これは、今年の8月は非常に暑かったので、高温障害になっているお米が多い状況なんです。といっても白いお米は精米したときに全部粉になってしまうので炊いた時には全然分からないんですけどね(笑)。それでもお客様のために取り除いてきれいなお米にしています。」

昭男さん:「実は去年は『いもち病』の被害が多かったんです。これは稲にとって非常に最悪な病気なんです。ひどいところだと例年の出荷量の7割減の農家さんもいました。私のところでも3割減になってしまったんです。今年はその反省としていもち病対策として消毒を早めにしたので、いもち病の被害は少なかったと思います。」

 棚田米の魅力について~

――昭男さんに棚田米の美味しさを紹介していただいたいです。

昭男さん:「品種はコシヒカリが多いんですが、食べた人ほとんどが美味しいと言ってくれます。なぜおいしいかというと、ここら辺は平均400mぐらいの標高の中で、朝晩の寒暖差が非常に大きい。それと中野方町は小さな盆地なのですが、水源から流れたきれいな水が中野方川、坂折川に流れていて、その水を田んぼに使っています。それがお米の美味しさの要因になっているのだと思います。魚沼産と同等の味がします!(笑)皆さん是非食べてみてください!」

~中野方町の魅力とは~

――昭男さんが思う中野方町の魅力とはなんでしょうか。

昭男さん:「30年ほど、中野方町から名古屋市に通っていまして朝早く出て夜遅くに帰ってくるという生活をしていましたが、必ず中野方町に帰ってきたいという想いがありました。それは何故かと考えると、山に囲まれた長閑な雰囲気が忘れられないんですよね。とにかく『きれいな里山の村』なんです。皆さん是非遊びに来てください!」

 

<インタビューを終えて>

昭男さんにインタビューをさせていただいて、中野方町でとれたお米がどのようにして消費者の手元にまで運ばれているのかということ、また、第一部集落営農組合が建てられた経緯を知り、中野方の土地や農業に合わせたスタイルであることも知れてとても勉強になりました。そして、昭男さんが思う中野方町の魅力を教えていただき、自然あふれる中野方の風土がどれほど魅力的なのか再認識させられました。この場をお借りして改めてインタビューを受けていただいことに感謝申し上げます。

 

ポッドキャスト「恵那住録」                                       

サイトのURL https://open.spotify.com/show/6vbrVqX2n0QhpRvh6uO7Ur 今回の内容は、「ライスセンターのアキオさん」というエピソードから抜粋したものです。他にも複数エピソードを挙げておりますので、そちらの方も聴いてくださると幸いです。