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2023.10.18 中野方町生活だより part.6

中野方町生活だよりpart.6

こんにちは。中野方町で滞在している今関悠也です。

今回も中野方町の町民の方にインタビューした内容を実際に文字に書き起こすことを通して、中野方町の魅力である「人」を紹介していきたいと思います。

~魅力いっぱい!中野方町の人たち!~

2人目・大江栄三さん

今回紹介する方は、中野方町にて自然農法の農園である「おかさげ農園」を経営している大江栄三さんです。そんな大江さんには、農業に関することから恵那市中野方町への移住の経緯など魅力的なお話をお聞きしました。今回のコラムでは特に、中野方町へ移住した経緯と「農」のある生活の魅力、おかさげ農園のこれからという大きく3つに分けてお送りしたいと思います。ちなみに今回の内容はポッドキャスト「恵那住録」のごく一部になりますので、気になった方は是非、音声の方も聞いていただけると幸いです。

 

中野方町への移住の経緯

東日本大震災を機に、それまで暮らしていた東京を離れ、大学時代の後輩の住む大分県へ移住。そこでの暮らしは居心地の良いものではあったものの恵那市中野方町へ移住することに。その理由についてお聞きしました。

――大分での暮らしは居心地の良いものだったわけですよね。なぜ恵那市中野方町へ移住されたんですか?

九州から本州へ意識が変わった

「大分は別府温泉とかがあるからだと思うんですけど、外から来る人に対して寛容だなと感じました。それと同時に、移住者へのサービスが非常に発達していたんです。だから売り手市場になっていて良い物件とかもすぐに売れていったりしてたんです。離れることが決定的になったのは、家族で初めての物件を見に行ったときのことで、物件が山の中の見知らぬ土地にあったんですよね。その物件を見た時に『なんで僕たちここにいるんだろう...』って、ぼそっと僕が言った気がするんです。そこで何かが変わったんですよね。」

「そこから、岐阜に来るきっかけになったのは、もともと移住しようと思っていたところでお世話になったご夫婦がいて、そのご夫婦が中津川に移住することになったんです。その時から東濃の地域が移住先として頭に残っていたんですよね。それと、九州の果てまで行っていたから、本州に戻ろうという意識になったというのもあると思います。」

なぜ恵那市中野方町だったのか

「当時の恵那市の空き家バンクってかなり充実していて、今住んでいる物件が出てきたんです。でも大分にいるしお金もかかるからすぐに見に行くわけにはいかず、恵那市の職員さんに物件の写真とか書類とかを郵送してもらったんです。」

「そしたらファイルいっぱいに色んな所の写真を送ってきてくれて。それだけで胸が熱くなったというか、感動しちゃったんですよね。家の前の川が水害で崩れた写真もあったんですが、この沸き立った気持ちを諦めることもできなかったので、実際に物件を見に中野方町に来ました。」

中野方町の景色に感動して

「結論から言うと、家を見る前に決めました。中野方川沿いに車で上がってきて、笠置山がそびえたって、その下に広がっていく田園の風景を見て「あっ、ここだ!」ってなったんです。家にたどり着く前に決めちゃったんですよ。これまで色んな物件を見てきて、どういう立地がいいとか、大学で学んだ生態学の視野から地質から土壌から並大抵じゃない時間をかけて見てきたんですけど、最後には感性で決めました。『よし、ここにしよう!』ってね(笑)」

「農」のある生活の魅力

生活の一部を自分で作り出せるということ

――「最近、移住者が『農業のある生活』をしたいという風潮がありますよね。大江さんが感じる『農』のある生活の魅力についてお聞きしてもいいですか。

「万が一世の中が不安になっても、僕は食っていけますよ。田舎に住むっていうお金に寄らないで自分の生活が一部でも生活しうるっていうのが魅力なんだと思います。この資本主義の世の中で、「ご近所のお付き合い」とか「山にキノコを採りいく」とか資本主義的では説明がつかないようなことが農村の暮らしにはありますよね。それはお金じゃなくて信頼があって成立するものなんだと思います。それといざとなれば、川で魚をとったり、草を食べたり、自分の手でモノを作り出したり、そういう何もないところから価値を引っ張りだすことができる。それは現代社会が忘れてしまった大切なものでもありますよね。」

「おかさげ農園」のこれからについて

――最後に、これからのおかさげ農園の目標についてお聞きしてもいいですか。

「田舎に来ると期待されているような気がして、事業的に成功しなきゃとか大きくしなきゃとか、そういう方向で物事を見がちですけど、僕はそうではなくて、いろんなことで『事足りる』というか、そういう生活をしていきたいです。それと、これから子供たちの手も離れて、自分たちも年を取っていって、その時の状況で変わっていくことが色々とあると思うんですけど、それに対して柔軟に対応して充実した生活をしていきたいですね。」

「さらに欲をいうと、若い人が『あのおじさんがやっていることやりたい!』とか『よそから来たあんな人でもできるなら』と言って農業を始めてくれたら、冗談半分ですけど、ニヤっとしちゃいますよね(笑)」

 

<インタビューを終えて>

今回の内容には含まれていませんが、大江さんが農業を志すまでの生態学、民俗学の出会いや、自然農法の野菜作りについてなど興味深いお話を聞けてとても勉強になりました。また、『農』のある暮らしの魅力について聞いてみて、商品として消費するだけでなく自分自身で何かモノを生み出すことが重要であると改めて感じました。インタビューにご協力いただきまして誠にありがとうございました。

ポッドキャスト「恵那住録」                                       

サイトのURL https://open.spotify.com/show/6vbrVqX2n0QhpRvh6uO7Ur 今回の内容は、「おかさげ農園のオオエさん前編・後編」というエピソードから抜粋したものです。他にも複数エピソードを挙げておりますので、そちらの方も聴いてくださると幸いです。